民族音楽鑑賞とソウル観光の旅

                              加藤洋男

 

 作曲家のTさんと二人で14日から8日までソウル観光に出かけました。私は韓国37回目。Tさんが中学校の先生をしているので正月休みを利用しました。

1月にソウルに行くのは2年前に一人で出かけて以来です。ソウルは1月が一番寒くて、平均気温が−10度の世界、日本の東北北部、北海道並みの寒さです。しかし食べ物は美味しくて、観光地もあまり人がいなくてゆっくり、精力的にソウルの旅を堪能しました。

 

201214日(水)

 飛行機KE001は予定通り夕方740分にインチョンに到着。ガイドブック『地球の歩き方・ソウル201112』(以下『地球』と略す)に明洞・ミョンドンのセブンイレブンで両替が24時間できると書いてあったので、予定を変更して、旅館に行く前に両替と食事をすることにした。携帯電話を韓国仕様に切り替えて、旅館にその旨電話をする。

 航空鉄道駅、弘大入口・ホンデイックが2号線なので下車駅、乙支路入口・ウルチロイックも地下鉄2号線だと思い、車内放送があってからとっさに降りた。二人とも大変身軽だったので可能だった。乗り換えが1回で済み大正解。帰りは逆に、ソウル駅で乗り換えるのではなく5号線の孔徳・コンドクで航空鉄道に乗り換えたほうが旅館から5号線のチョンノ3ガ駅まで近いし乗り換え距離も、ソウル駅より近いことに空港鉄道に乗ってから気がつく。

 駅を降りて、反対側のロッテデパートに向かったり、違うセブンイレブンに行ったりしたが、何とかたどり着いた。飛行場では¥1001390ウォンだったがそこでは1488ウォンだった。一割近くレートが違うことになる。少し高目になるが、0.7掛けの円で表記する。実際は若干もっと安い値段になる。となりがウォンダン・カムジャタン・豚の骨付きジャガイモ鍋の専門店だったのでそこに入る。中サイズで1800円。二人でちょうど良い量だった。ジャガイモと最後にインスタント麺を追加する。背骨のスペアリブだが一番味の出る部分でたまらなく美味しかった。


      カムジャタン 見かけは悪いが美味

 食後ミョンドンの地下鉄駅まで歩いて、タクシーに乗る。近いので、若い運転手には乗車拒否されてしまったが、おじいさん運転手は快く乗せてくれた。5分ぐらいで宿の近くの、タプコル公園に到着。花星荘・ファソンジャンは前回まで世話になったスカイモテルの近くだと思ったが、何とちょうど真向かいの旅館だった 『地球』には設備が老朽化していると書いてあったが、確かに古いホテルだった。風呂場の電気が切れていて、替えてもらう。床暖房が壊れているのかベットと床がホットカーペットになっていて上から扇風機の形をした電器ストーブが入って寒くは無かった。お風呂もあってお湯は豊富に出る。Tさんは毎日あったまって疲れをとる人なので嬉しかったようだ。衛星番組は入らないが、大きい画面のテレビもあるし、冷蔵庫、給温水器もある。

 前回までの定宿スカイモテルは平日一部屋2800円、金土の週末は3100円に値上がりした。それでも安いがファソンは平日1700円、週末2400円。4泊して12万ウォン 8400円、一人何と4200一泊千円で泊れる。コンビニでツマミを買いマッカリと焼酎を飲んで1時過ぎに寝た。

 

15日(木)

 7時半頃出発して前から気になっていたムギョドンプゴクッチプという店に行く。歩いて20分くらい。地下鉄に乗れば隣の鐘閣・チョンガ駅からが近い。近所の売店でおじいさんに道を訊いたらわざわざお店を閉めて、連れて行ってくれた。40年続いている有名な店らしい。455円と雑炊にしては良いお値段だ。宿の近所のハンデククが140円だから3倍以上のお値段だが、それだけの事はある。干し鱈がゴロゴロ入っている。キムチとおかずは食べ放題。水キムチもお替りしてくれる。お店では15人くらいの人が働いている。勤め前の朝食を食べる人で満員状態、ガイドブックに載っているのか家族連れの日本人も多い。あまりにも美味しいし、カメラの電池が無くなったので、土曜日にまたくることにした。

 9時になったので近所の中央観光公社案内所に行って催し物の案内を請う。案内の方は日本語ハングル、私はハングルも交えて色々情報を訊いた。パンというサムルノリ・農楽舞が主催する団体が二三年前から始めたグループの公演が8時からあり、しかもそこで予約すると2100円の半額1050円になるので予約した。週替わりで色々な催しが割引になるので中央観光案内所に先ず行くのをお勧めする。


 Tさんがトイレに入ったビル喫茶店の看板       ロビーの抽象画

 近くの清渓川・チョンゲチョンを歩く。クリスマスのイルミネーションが残っていた。高い建物がずいぶん増えて、地上げの真最中。噴水が凍って綺麗に固まっている。係のおじさんたちが氷を壊していた。


  チョンゲチョン 放流口








 地下鉄3号線に乗り換えて景福宮・キョンボックン見学。厳冬なので人もまばらで、ゆっくり見学できた。以前あった説明文の看板が激減していた。どうやら説明のヘッドホンを借りて見学してくださいということのようだ。一部は日本語ツァーのガイドの説明を聞いて廻った。私は通算10回以上来ているだろうか? 奥の新しい建物は、誰もおらず当時の雰囲気が偲ばれて良い見学になった。


         衛兵交代式


   宮殿の奥 誰も人がいない

 奥の青瓦台・チョンファデ側の出口も開いているのでそこから三清洞・サンチョンドンに抜けて水団・スジェビを食べる。日本の水団と違って小麦粉を練って板状にしたのを2センチ四方ほどに切った、いわば韓国パスタだが、アサリなども入ったスープの味が抜群ねぎチジミも一緒に食べ、トンドン酒も飲んで1500円。

 宿に歩いて帰って、3時から5時まで休憩昼寝。いつもの廣蔵市場・カンジャンシジャンに歩いていって、明太子屋さん洪林・ホンリムに挨拶。その後はす向かいのお店で白子鍋を食べる。明太の白子もプリプリで芹や豆腐も入って美味しい大体食べた後、ご飯を頼んで炒めご飯に近い雑炊にして食べる。ご主人の母親・オモニがそれとなく睨みをきかせているのは、昔、横浜中華街の金陵のおばあちゃんが、いつも玄関の前に座っていたのを思い出して、微笑ましかった。


       明太白子なべ テグメウンタン


       最後におじやでしめ             店先




      店の名前はウンソンフェチプ


      いつも入る馴染みの屋台

 その後地下鉄でキョンボックンまで行ってタクシーに乗ったが、運転手のおじさんは『パン』と言っても知らなかった。『地球』の住所を見せてカーナビでたどり着いた。一二年前に常設になった公演場で主体はサムルノリ・農楽舞で、最後の頭でテープ回し舞はやはり見事だった。ほかにもパンソリは日本語の字幕もあり、意味がわかって感動した。太鼓の合奏、仮面踊り・タルチュムなど多彩な民俗芸能演目だった。公演後出演者と一緒に記念撮影。





 

1月6日(金)

 朝食はいつものハンデクク、140円。干し鱈の量は少ないが、この値段では大満足だ。ここのアジュマとも馴染みになってしまった。この近辺はハラボジ・おじいちゃん達の溜り場で、暖かいときには社交場になる。床屋さんが何軒もあって料金が240円!! いつか髪を伸ばして試してみたい。


      ハンデクク 140円


        タプコル公園奥 パゴダ、塔 国宝

 この後地下鉄でソウル駅乗り換え、4号線。二村・イチョンで降りて国立中央博物館見学。9時から見学し、終わったのは午後1時。途中喫茶店で休んだが、4時間の見学は非常に疲れた。お目当ての弥勒菩薩が交代で倉庫に入って見られなかったのは残念だった。色々な仏像、青磁白磁、民画、土器etc. etc. 全部じっくり見たかったら、二日かけてみるしかない。

 午後2時近く三角地・サンガクチで6号線に乗り換えイテオンの田舎飯餐・シゴルパプサンで昼食一人前480円。数えたら丁度20品の小皿が出てくるが、完食。主には野菜類が多い定食で体に良く、上品な味付け。ビールを2本飲む。


   このほかにチゲ鍋とご飯がつく


                        完   食

その後、昼寝休憩をすると日も暮れるだろうということで地下鉄に乗り、チョンノサンガで宗廟・チョンミョ見学。見学方法が替わって日本語のガイドは3時40分で終わりだったが、英語ガイドは4時だったのでそのガイドさんで廻った。


        祭礼のとき王様が控えていた部屋



    英語ガイドさん        歴代の王様


    宗廟・チョンミョ ユネスコ世界遺産

I learned  English 9years. とか話して同行を許してもらえた。I came here about 8 times.  I  came to Korea 37times. と説明したらガイドのお姉さんはびっくりしていた。チョンミョの大体の概略はわかっていたので、英語説明の3分の2位は理解できた。やはり9年間学習の蓄積は大きい。

 宿に帰って昼寝休憩をして、5時過ぎ近所の貝屋台で食事。ムール貝とコルベンイという巻き貝をツマミに焼酎を二人で2本飲む。韓国焼酎・ソジュ、昔はアルコール度数25度だけだったが、最近は20度か19度くらいに下がっている。時間が早いのかまだお客は来ない。屋台ではなく部屋の奥で、ストーブをつけながらの食事だった。それでもかなり寒い。去年のアジュマは休憩していて、少し若いアジュマとアガシがやっていた。値段はコルベンイをお替りして、1450円、安い!!


     ムール貝                      地下鉄ホーム ドラマの宣伝

 その後、地下鉄4号線、恵化・フェファで降りてチョンニョンドンアンドというジャズバーでジャズトリオ鑑賞。この場所はソウル大学がある大学路・テハンノという演劇や若者文化が盛んなところだ。ウッドベースは少しおとなしいが、女性のピアノは結構上手、男性のドラムはリズム感が抜群で楽しんで聴けた。席料は二人で840円。私はマティーニ2杯、Tさんはスクリュードライバーを飲んで一杯各550円、かなりの量のピーナツがツマミに出る。私はほとんどライブバーには行ったことはないが、Tさんの話では、日本に比べるとやはり格段に安いということだ。

 

17日(土)

 朝目が覚めたら8時を過ぎていた。写真を撮りたかったし美味しかったので木曜日に行ったプゴクチプに一駅地下鉄で行く。9時を過ぎていたので、もう空いているだろうと思ったがとんでもない。我々が入った後、続々人が来て、行列ができた。日本人もいたが、土曜日なので地元の人が食べに来るようだ。中央観光案内所の方の話ではお昼はもっと並んでいて食べるのが大変らしい。ムギョドンは周りに会社や役所があるビジネス街なのか、魅力的な店が多い。冷麺の名店ナンポミョノクもこの辺にある。


    干し鱈雑炊 プゴクッ


     調理場                        店内

お店の写真をばっちり撮ってその後、Tさんの希望で鐘路・チョンノタワーに上る。エレベーターで33階まで一気に上る。窓はかなり汚れてくもっている。表から窓拭きをするのは命がけだから、たまにしかできないのだろう。デジカメで写真を撮る。鐘路チョンノタワーは、以前はチョンノ付近ではダントツに高い建物だったが、今では廻りにもっと高い建物がいくつもできてしまった。


    33階から


地下鉄3号線、独立門・トンニンムンで降りて、西大門刑務所歴史館・ソデムン・ヒョンムソヨクサガンをTさんの希望で見学。私は3回目だが、前回2回とも雨の中、陰鬱な雰囲気での見学だった。今回は快晴だったが、頭が痛くなるほどかなり寒い。ただ、説明表示を見るとさすがに獄舎内での暖房はあったようだ。暖房が無ければかなりの収容者が凍え死んでしまったに違いない。小中学生が、見学に来ていて、係員のアジョシの説明を熱心に聞いていた。私の記憶では、前回までは、日本帝国主義のもとでの残虐な待遇だけを強調されていたが、今回は戦後、軍政下での弾圧にあった民主人士のことも展示されていたのが印象的だった。




                               死刑場から死体が運び出された所



        独立門


その後、同じ地下鉄3号線で二駅の、安国・アングに行き、インサドンのクンという店で水餃子を食べる。比較的暖かくて、のども渇いていたのでビールを頼んで二人で3本飲む。ジョンレンイという直径5ミリほどの小さな餅がたくさん入っていて歯ざわりも良く美味しい。餃子は大きくて二つに割って食べる。この店は北朝鮮の開城・ケソン出身のおばあちゃんが始めた店で店内にはお孫さんアガシと一緒に撮った写真が飾っている。以前何年か前には店先でハルモニが餃子を包んでいた。食事の後インサドンを見学。例の蜂蜜飴を池田さんは5袋買って、私もそのうちの一袋お土産にする。工芸品を作って直接売る場所サムジーキルも見学。

その後地下鉄3号線の南部ターミナル駅で降りて20分ほど歩いた国立国楽院で伝統芸術鑑賞。毎週土曜日午後4時から開催される。2週目は名人名品プログラムがあり、それ以外はA〜I型、9種類の演目が週替わりで演奏される。今回はA型のプログラムだった。初めは寿斉天という宮中音楽。色々な民族楽器で演奏される。前回もそうだったが、20人ほどの演奏者がほとんど同じ単調なメロディを斉奏するので正直眠くなってしまった。 その後琴を撥で弾く玄琴の独奏、散調。やはりソンビ・文士、両班・ヤンバンの間に伝わった曲の演奏。あまり起伏の無い単調な演奏で眠くなる。 蓮花舞1993年に舞譜が発見されて再現した優雅な舞。 京幾民謡、三人のアジュマが三曲を斉唱したり、交代で独唱する。言葉は殆んどわからないが、迫力のある歌唱。 カヤグム独奏、シルクロード。1977年の作曲。カヤグムの色々な奏法が試されて興味深い。 最後の太平舞は女性の踊りが大変魅力的だった。 以上の解説は70で受付で販売されている立派なプログラムに書いてあった。ただ、このプログラムはルビが無い。曲目や楽器の名前の読み方が解らないので改善してほしい。

その後、廣蔵市場・カンジャンシジャンでお土産と、屋台での食事に行く。明太子屋さん洪林・ホンリムは土曜日ということもあり、大変忙しかったようで、オモニは今、朝ごはんを食べているということだった。私は、明太子は冷凍庫にまだ、たくさんあるので、スルメいかのコチュジャン漬け500gを二つ、1400円。Tさんは家庭用の明太子840円を買った。

いつもの屋台ではスンデ・韓国ソーセージとチョッパル・豚足をツマミに焼酎を飲む。Tさんはスンデが気に入った様でお替りとチャプチェ・春雨炒めを頼む。椅子がオンドル状態で熱いくらいに温度が高い。襟巻きを敷いて快適だった。お勘定は全部で1700!? 安い!!




      スンデとチョッパル              スンデ

その後、地下鉄2号線で新村・シンチョンまで行き、鮑石亭・ポソクジョンというお店でマッカリ飲み放題をした。280円でマッカリ飲み放題。度数が弱いのか酔うよりもおなかが一杯になる。それでもキムチ入りのチヂミ700円をツマミにかなり飲んだ。 地下鉄駅チョンノ3ガ駅を降りた後、マクドナルドで、35円のおいしいソフトクリームを食べる。



  鮑石亭・ポソクジョン  慶州・キョンジュにある遺跡であわびの形の池に
               水を流して歌を詠んだという。水の代わりにマッカリ!

 

18日(日)

 7時前に起きて帰国準備。初めに書いたように、ソウル駅ではなく地下鉄5号線の孔徳・コンドクで乗り換えたほうが正解ということに空港鉄道に乗ってから気がついた。 インチョン空港ではTさんの残りのウォンを私が両替したりして、ウォンが結構余ったのでハイネケンを二人で2杯ずつ飲む。ツマミは昨晩市場で買った麻薬海苔巻き・キンパ…。やめられないほど美味しいという意味だそうだが、確かに単純な具だが、お米と海苔の素材が良いのか美味しい。また買って食べたい。

 今回は私より若いTさんとご一緒できて、ソウルの魅力を再発見できた。やはり何でも食べられて、お酒も飲める人との旅は楽しい。Tさんありがとう 約束してくれた?韓国をテーマのファゴットの曲も期待しています。

 予定通り無事昼過ぎに成田に着く。やはりカミさんからは「にんにく臭い!」と言われる。あれだけキムチを食べれば当然だろう。尾篭な話だが、ソウル滞在二日目位からウンチの色が赤っぽくなってくる。 今年は現在決まっているだけで、3月の末と、5月中旬には千葉労山、東葛山の会のガイドで済州島、ハルラ山に行く。

 
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